2018年04月27日

【料理アカデミー】食の科学「加熱」-講義編③直火焼き・蒸し料理について〜「加熱上手は料理上手」〜

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5-1:蒸し料理について「栄養成分が逃げない加熱方法」

最後にスチーム、蒸し料理の話をさせていただきます。
まず、水は加熱すると蒸気になります。その蒸気が食品にあたると、また水に戻るんですね。水がエネルギーを蓄えて蒸気になっているので、蒸気が水に戻るときにそのエネルギーを食品の表面で放出するわけです。そのときのエネルギーは大きいですから、同じ100℃でも、100℃のお湯と100℃の蒸気ではやけどの仕方が違います。

食品が100℃以下の場合には、蒸気が食材に当たって茹でたときと同じくらいの速度で加熱されます。茹でるときは水の中に食品を入れるので、水溶性の栄養成分や旨み成分などは水の中に出ていきますが、蒸す場合は茹でたときほど出ていきません。蒸すと、最初に少し食材に水がつくので栄養成分などが少し出ることはありますが、食材の温度が上がると水つかなくなってくるので、栄養分はそんなに逃げていきません。味もいいし栄養的にもいいし、加熱速度は比較的速いし、ということで蒸し加熱が大変流行っているということです。

5-2:蒸し料理について「過熱水蒸気とは」

蒸気を使う方法がさらに改良されて、「過熱水蒸気」を使う調理法がたくさん出ています。この“過熱”という字は、“加える”ではなくて“過ぎる”の“過”です。蒸気は、水が100℃になったときに発生するものなので、蒸し器の中の温度は蒸気をいっぱいに充満させた状態でだいたい100℃です。さらにその蒸気を加熱すると、100℃の蒸気が 120℃、130℃と温度があがっていきます。これが、「過熱水蒸気」です。

過熱水蒸気を使った加熱方法には、ガスを熱源とするものもあれば電気を熱源とするものもあります。電気を使ったものだと、庫内温度などがきちんと制御され、またたくさんの食材を入れることができるようなものが多いので、大変便利な調理器具として現在普及しています。家庭用のオーブンでも、過熱水蒸気を使うものが出ていますね。

5-3:蒸し料理について「過熱水蒸気でよりヘルシーに」

過熱水蒸気を使った調理方法だとヘルシーだといわれることがありますが、それを確かめるための実験も行いました。みなさんもご存知かと思いますが、脂の多い肉や魚を焼くと脂がいっぱい落ちますよね。これはタンパク質が凝固して収縮するため、そのときにどうしても脂が溶けた形になり落ちてしまうのです。

つまり、急激な加熱をすれば脂はある程度落ちるんです。ですので、高い温度で加熱ができる過熱水蒸気を利用して調理すると、ヘルシーだということがいえるのだと考えます。

『食の科学「加熱」-実習編①「イタリアのおいしい家庭料理」』を読む>>

この記事は、平成24年に開講されたクリナップ寄付講座「キッチンから笑顔をつくる料理アカデミー」の内容をまとめたものです。

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