2018年04月18日

【料理アカデミー】食の科学「加熱」-講義編②オーブンレンジの有効活用〜「加熱上手は料理上手」〜

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3-11:オーブンの種類と使い方のコツ

次にオーブンについてですが、最近では、いろいろなオーブンがつくられるようになりました。そのため、オーブンのタイプによって、設定温度と時間が随分違うというお話をしておきたいと思います。

昔のオーブンをご存知でしょうか? 金属の箱を七輪の上に置いて焼いたような形で、下だけに熱源があるものでした。こういうものは、熱せられた空気が自然対流で上に上がっていくので、自然対流式といいます。それからだんだんと技術が進歩し、上下にヒーターのついたオーブンが出てきました。

強制対流式オーブンというものがありまして、オーブンの中を覗いていただくと庫壁に小さなファンが見えるんですね。ファンで熱風を巡回させるので、熱が早く伝わります。オーブンの中の空気を十分にかき混ぜることによって、熱をたくさん使えるようにする強制対流式を“コンベクション”といいます。こういうオーブンでケーキを焼くと、表面が破裂することがあります。レシピと同じ温度でつくってもそうなるので、自分がどういうタイプのオーブンを使っているかで温度調節をしなくてはいけないということになりますね。

3-12:熱伝達率について知っておいてほしいこと

少し専門的な言葉ですが、熱を伝える能力という意味の「熱伝達率」というものも測りました。熱伝達率というのは、食品の外側に熱を伝える能力がどのくらいあるかということです。強制対流式のオーブンは熱伝達率が高く、反対に電気オーブンとか自然対流式のオーブンは低くなっています。

たとえばケーキを焼くとすると、熱伝達率が低い自然対流式のオーブンだと時間がかかります。設定温度を変えていくと、焼き上がりの時間に差がでます。強制対流式だと早く焼けますし、設定温度を変えても時間に差はでませんが、焦げ方が変わります。

ですので、皆さんがお使いになっているオーブンが強制対流式なのか、電気式なのか、あるいは自然対流式なのかで、「レシピよりも温度を低めにしないと焦げすぎる」とか「温度を少し高めにしないと時間がかかる」とか、注意が必要になることもあります。

3-13:オーブンだと、なぜ表面が焦げるか?

オーブンで食品を焼くときは、オーブンの中に天板を敷いてその上に食品を置きます。下から加熱する場合ですと、下から上に温かい空気が巡回して天板の上の食品に熱を伝え、食品の中は熱伝導で内側に伝わっていきます。必ず外の方が中よりも温度が高く、だから表面が焦げることになるのです。

たとえば、オーブンの中が180℃だとしたら、庫壁も180℃になります。そうすると庫壁から輻射(ふくしゃ)で食品に熱が伝わるので、オーブンの中の熱は、対流や輻射でも伝わるし、もっといえばこの天板からの伝導でも伝わるということになりますね。非常に複雑な熱の伝わり方をしていますが、輻射で伝わる熱が強いと表面が焦げやすいという特徴があります。電気オーブンだと輻射が比較的強く、ケーキが焦げやすくなります。

次回は、直火焼きと蒸し料理についてご紹介します。

『食の科学「加熱」-講義編③直火焼き・蒸し料理の秘密』を読む>>

この記事は、平成24年に開講されたクリナップ寄付講座「キッチンから笑顔をつくる料理アカデミー」の内容をまとめたものです。

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