2018年02月23日

【料理アカデミー】食の科学「発酵」-講義編②カラダにいい調味料〜「発酵食品の不思議な世界」〜

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江戸時代の書物から見つけられた“塩麹”

“塩麹”とは、米麹・塩・水の3つを混ぜて発酵、熟成させてつくる日本の伝統的な調味料です。江戸時代からつくられ、古くから野菜や魚の漬物床として利用されてきたと書物には書かれています。2011年後半頃から塩麹のさまざまな利用法ができ、人気が出て急に流行り出しましたが、それまでは、世間ではまったく知られていなかった調味料でした。

ブームの火付け役は大分県の糀屋本店の女将といわれています。いまひとつうまくいかなかった家業の起死回生の一手を探り、江戸時代の書物を見つけて読んでみたら塩麹なるものが載っていたのだそうです。麹づくりで300年以上の歴史を持つといわれる糀屋本店でしたが、書物を見るということがあまりなかったため塩麹に気付かなかったそうです。女将が塩麹に出会ったのが、2007年のことでした。試しに魚や野菜に絡めてみたところ、うまみが口いっぱいに広がり、簡単でおいしく、起死回生の調味料になるかもしれないという期待を抱き、塩麹レシピを考案しブログや本で公開しました。その結果、健康志向の人の間で口コミが広がり、ブームになったのです。

麹とは何か? 

塩麹のレシピをご紹介する前に、まず麹とは何かということを説明します。
たとえば、米麹は蒸米に麹カビの菌糸を生育させたものです。麹カビとはカビの一種で清酒、甘酒、焼酎、食酢、みりん、味噌、醤油など日本の伝統的な発酵食品に用いられている、日本を代表する発酵微生物のひとつです。白い状態からしばらくすると色がつきます。これは、菌糸の上に胞子というものが形成されるからです。普通の光学顕微鏡で見ると、菌糸、そしてその先に胞子があります。さらに胞子の部分を電子顕微鏡で見ると、胞子には突起がいくつもあり、その一つひとつが胞子、植物でいうと種のようなものとなります。この胞子に色がついているわけです。米麹は、実際に料理などで使うときには、この胞子がない状態、菌糸までの状態のものを使います。ですから、もし色がついているのであれば、それは少し培養しすぎだと思ってください。

米麹のつくり方

塩麹の前に米麹のつくり方を紹介します。
使用する容器は消毒、あるいは煮沸殺菌してほかの雑菌が汚染しないようにしてください。

❶お米を水で研ぎ、冬で大体12時間以上、暖かいときは少し短めに水に浸けます。その後、お米を蒸す2時間以上前から水切りをします。最低でも1時間前には水を切ってください。

❷水を切ったお米を蒸し器にセットして、芯が残らない状態まで蒸します。時間は30分から40分ほどです。

❸蒸し上がったお米は、少し固まっているのでほぐします。それから蒸米を広げてしゃもじで混ぜます。

❹蒸し米が40℃以下になったら、市販されている米麹を細かく粉砕したものを蒸米全体に混ぜ、30℃くらいで保温します。

❺朝晩、全体に麹カビの菌糸が生育できるように軽く混ぜます。2日か3日くらいで全体に白い色が出てきます。これで米麹のできあがりです。
黄色や緑色の胞子が形成されると培養しすぎです。

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