2018年07月27日

【料理アカデミー】食と美学-講義編②色彩の基本〜“かたちといろ”のコーディネート〜

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食と住に深く関わる企業であるクリナップは、現代における“食の大切さや役割”を、皆さまと共に見つめ直すことが大切だと考え、生活研究部門である「おいしい暮らし研究所」が中心となり、聖徳大学さま、武庫川女子大学さまのご協力のもと「キッチンから笑顔をつくる料理アカデミー」を企画、提供してまいりました。
ここでは、多彩な講師の方からいただいた貴重なご講義や実習の内容をお届けします。
 

講師:花見 保次(聖徳大学講師)
デザイン入門や色彩学、デザイン史などを担当。国内外のEXPO・見本市、商業施設などのデザインを手がけ、公共の色彩を考える会、日本展示学会などに所属。
(平成24年3月 講座実施時)

講師:山川 やえ子(カラー&イメージコーディネータ)
聖徳大学オープン・アカデミー(SOA)で色彩やカラ関する講座を担当。日本色彩学会正会員。
(平成24年3月 講座実施時)

「美」について考える

今回の料理アカデミーの講義では、食事における「美」について花見保次先生と山川やえ子先生が解説をしてくださいます。
講義編①では、「美」をつくる要素についてお話いただきました。今回は、色彩の観点から考えられる「美」についてのお話です。

色彩の基礎:色の三属性【色相】

まず、色彩の基礎「色の見方」についてご説明します。
色の三要素は、「色の三属性」といわれています。まず、赤や黄色などの色味のことを色彩用語で“色相”といいます。
「ピンクのセーター買ったのよ」と電話で話しても、実際のセーターの色と、相手の方が考えるピンク色が同じとは限りません。その色を具体的に伝えるには、「桃みたいなピンク」とか「サーモンピンク」のように説明する方法が考えられます。ですが、実際に色を正確に伝えるには、数値で示すのが一番です。

色彩の基礎:色の三属性【明度】

そしてふたつめに、“明度”があります。明るい・暗いということですね。「色相環」と呼ばれる、色を環状(リング状)に並べた図があります。わたしが持っている色相環は、上が黄色で下が青紫の配置になっていますが、これを反転すると安定感がなくなります。
それと同じように、インテリアにしても、お部屋の天井が低めで黒い天井だったら圧迫感がでます。床・壁・天井の色を選ぶ際、明度はとても重要なポイントのひとつなのです。

色彩の基礎:色の三属性【彩度】

3つめが色の力強さで、“彩度”といいます。これを整理したものに、トーン表(PCCSトーン分類)と呼ばれるものがあります。
ビビッドのトーンに白を足していくと、全体の色が明るく変化します。その代わり、ビビッドトーンの彩度は白を入れることによって落ちていきます。また黒を足していくと、どんどん明るさは落ち、色の強さ(彩度)も落ちていきます。一番明度が低いのが、黒です。明度と彩度の複合概念としてトーン表があり、これは日本で開発されたPCCSというシステムです。その表のおかげでとても配色調和がしやすく、ものさしのようなものになっています。

色彩の感情効果:事故率の高い色

次に、色の感情効果についてご説明します。
暖かみを感じる色、冷たく感じる色、と聞いたとき、それぞれ思い当たる色があると思います。そのほかに、進出色・後退色というものがあります。たとえば、赤い車と青い車(黒い車)が同じように自分の方に走ってくるとします。そのとき、赤い車は突進して来るように見えるそうですが、青や無彩色の黒い車は自分めがけて来るとは思わないのだそうです。そのように見えたら、赤い車は注意して避けますよね。ですが、青や黒い車はそうはなりません。そのため、事故率が高いのは、視野にも飛び込みにくく、そんなにスピードを出して来るとは思われない後退色だと言われています。

色彩の感情効果:膨張感や重量感

女性は気にする方も多いかもしれませんが、膨張色・収縮色というものもあります。
進出色・後退色と似ていますが「近く感じる色・遠く感じる色」もありますし、また「地味な色・派手な色」もあります。興奮・沈静、柔らかい・硬いなどの色もあげられますね。
実際の話ですが、宅配会社で同じ荷物で明度の低い色のパッケージと白いパッケージを用意したそうです。明度の低い方は、作業員から重いという苦情が出たそうですが、それを白いパッケージに変えた途端苦情が減ったそうです。

色彩の感情効果:味覚に関わる色味

また、甘み・辛み、こってり・あっさりなど、それぞれ思い当たる色を考えてみたりすると楽しいかなと思います。個人的な感覚があるものなので、色の感情というのは十人十色です。ただ、多くの方が同じように感じる色は出てくるはずなんですね。ケーキ屋さんや和菓子屋さん、ちょっと重厚なお料理を出すお店など、いろいろなお店で色の感情効果を利用しているのだと思います。
生活の余裕という部分で、色を選んだり楽しんだりすることは必要なことだと思っています。食事などの身近なところでも、色づかいというのはとても望まれていることかと思います。

次回は、料理をおいしく見せる色の組み合わせについて解説いたします。

[つづく]

『食と美学-講義編③色おいしく見せる色のコツ〜“かたちといろ”のコーディネート〜』は8月上旬ごろ公開予定です。

この記事は、平成24年に開講されたクリナップ寄付講座「キッチンから笑顔をつくる料理アカデミー」の内容をまとめたものです。

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