2018年07月01日
古くから受け継がれてきた月ごとのさまざまな慣習や行事について解説する【歳時記】シリーズ。今回お届けするのは「7月(文月)」について。
7月の行事といえば、「七夕」。五節句のひとつである「七夕」は、実は中国の宮中行事が由来なのだそう。また、この時期のもうひとつの風物詩には、「土用の丑の日」がありますね。梅雨から夏に移り変わる日本らしいこの季節を、さまざまな行事を通して感じられてみてはいかがでしょうか。
小暑(7月7日〜23日頃)、大暑(7月23日〜8月6日頃)
※二十四節気とは、太陽の動きをもとに1年を24等分したもので、約15日ごとに季節感を表す名前が付けられています。
七夕(7月7日)
文月(ふづき)、女郎花月(おみなえしづき)、桐月(きりづき)、七夕月(たなばたづき)
秋の七草のひとつですが、開花時期は夏。お盆にお供えしたり、武将家紋をして有名です。
葉が大きく、グリーンカーテンなどに向いています。七夕頃は「朝顔市」が開催されます。
※地域や気候などによって異なります。
大暑の頃には梅雨が明け、日に日に気温も上がって、海や山などでのアウトドア活動が盛んな時期になります。夏本番を迎えると、突き抜けるような青空に入道雲が見られます。
先人たちには、風鈴やうちわ、打ち水、すだれなどで涼を感じる知恵がありました。昨今その風習が見直され、生活に取り入れる人が増えているようです。インテリアを寒色系に変えたり、ガラス素材のものを取り入れても涼さが演出できますね。
7月は「七夕月」ともいい、7日は五節句のひとつ「七夕」です。中国から伝わってきた宮中行事で、麦が無事に実ったことへの感謝の意が込められています。
行事食として、そうめんをいただく習わしがありますが、そうめんの原型は小麦粉を練って細長くし縄のように編んだ「索餅」という食べ物だったといわれています。
七夕飾りには、お金に困らないようにと「巾着」、海の恵みへの感謝と豊漁への願いを込めて「投網」、整理整頓や物を粗末にしないようにと「くず籠」、家族の長寿への願いを込めて「折り鶴」、裁縫の上達や着る物に困らないようにと「紙衣」、織姫の織り糸を表す「吹き流し」などがあり、それらは笹竹に飾られます。
七夕の願いごとは、習字や歌、裁縫、織物などの上達を願って書いたのが始まりだといわれています。「五色の短冊、わたしが書いた~」と七夕の歌詞にもあるように、短冊は「赤・青・黄・白・黒」と五色揃っているほうが幸せを呼ぶといわれています。
天気の良い夜には天の川を眺めることも楽しみのひとつですね。天の川をはさんで光る星は、こと座のベガが織姫、わし座のアルタイルが彦星です。
夏至から11日目に訪れる雑節のこと。語源ともいわれる「半夏」とは、サトイモ科の烏柄杓(からすびしゃく)という植物で初夏に花が咲きます。
この日に降る雨を「半夏生雨」といい、この頃までに田植えを済ませる習わしが農事の大きな節目とされていました。田植えが終わるとひと休み。収穫したばかりの麦で、うどんを打った夏団子をいただきます。
関西では、稲の根が蛸の足のようにたくさんわかれてしっかり根付くようにとの願いを込め、蛸をいただく習わしが残っています。
土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間のこと。この期間に訪れる丑の日を「土用の丑の日」といいます。
中でも夏の「土用の丑の日」は、夏バテしないようにと精をつける「鰻」や「土用の蜆(しじみ)は腹の薬」といわれる「蜆」をいただきます。
鰻が一般化したきっかけには諸説あり、幕末の万能学者だった平賀源内が、鰻屋に「本日、土用の丑の日」と張り紙を出すことをすすめたところ、大繁盛したのがきっかけだといわれています。鰻以外にも丑の日には、「う」のつく瓜や梅、うどんなどをいただく習わしがありました。
※丑の日とは十二支の順に日付を表した際「丑」にあたる日のこと
このコンテンツは、キッチンを通じた楽しいふれあいの場づくりに貢献するために、食や暮らしに関する情報の収集、調査・分析を行っているクリナップの生活研究部門「おいしい暮らし研究所」が監修をしています。
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