2019年01月07日
受け継がれてきた月ごとのさまざまな慣習や行事について解説する【歳時記】シリーズ。
新しい1年の始まりである1月は、その年の良運を祈るためのさまざまな行事が古くから行われていたようです。その中から、今回は「人日の節句」「鏡開き」「小正月」の3つの行事を詳しくご紹介します。
小寒(1月5日〜19日頃)、大寒(1月20日〜2月3日頃)
※二十四節気とは、太陽の動きをもとに1年を24等分したもので、約15日ごとに季節感を表す名前が付けられています。
人日の節句(1月7日)
正月(しょうがつ)、元月(げんげつ)、睦月(むつき)、上春(じょうしゅん)、初月(しょげつ)
早春の寒さの中で、少しでも暖かい日が続くと開花します。「花よし 香より 果実よし」と三拍子揃った花木。
秋に球根を植え、冬から春にかけて楽しみます。別名を「雪中花」といいます。
※地域や気候などによって異なります。
1月の和名は「正月」。
神が宿る門松や注連飾り、鏡餅などの正月飾りを準備し、元旦の朝に訪れるご先祖様や田の神様、年神様へ無病息災や豊作、開運などを祈願します。
元旦から3日までを「三が日」。関東では1月7日ごろ、関西では15日ごろまでを「松の内(松七日)」といい、この時期に行う物事には深い意味があると考えられています。
新年最初の日の出は「初日の出」、山頂から見る日の出は「ご来光」。お参りをするとめでたく、元旦の「旦」は地平線から日が出ている姿を表現しているともいわれています。
元旦の夜に見る初夢は「一富士、二鷹、三茄子、四扇、五煙草、六座頭」が縁起が良いとされています。元旦の朝初めてくむ「初水(若水)」は、邪気はらい、神棚へのお供え、書初めなどに使って大切に扱う習わしがありました。
お節料理は「節供(せちく)料理」を略したもので、お正月などの節目に神様にお供えする料理を指していましたが、次第にお正月の料理となりました。お供えしたものを食べることで、神様との結びつきを深める意味があります。
お節やお雑煮をいただく際は、末広八寸(24㎝)の両口箸を使います。一方が神様用で、神様と人が共に食事をすることを意味しているので、両端を使用することはタブーとされています。
地域によっては正月最終日を20日ごろとし、「二十日正月」、「骨正月」などといい、祝い納めとしてゆっくり休み、祝い魚の鰤や鮭を食べて、食物への感謝を表します。
2月4日の立春前30日間は一年で最も寒い時期。前15日間は「小寒」、後15日間は「大寒」です。寒の時期にくんだ水は、雑菌が少なく長期保存に向いているとされ、味噌や醤油、酒などの寒仕込みに使われます。
五節句のひとつで、正月の最後となる1月7日ごろに春の七草「せり、なずな(ペンペン草)、ごぎょう、はこべら(繁縷)、ほとけのざ(田平子)、すずな(蕪)、すずしろ(大根)」を入れた七草粥を食べます。
七草は、ビタミンが豊富で風邪の予防にも効果があるといわれています。正月で疲れた胃を休め、邪気をはらい一年の無病息災を願います。
丸い鏡のように整えお供えするのが鏡餅。神が宿るとされ、米の恵みに感謝し、無病息災、家族円満を願います。
地域で異なりますが、飾っていた床の間などから下げ、こづちなどでたたいて開き、お雑煮などにしていただきます。包丁で切るのは、切腹を連想させ縁起が悪いとされています。
15日前後は年末や正月に忙しかった女性がやっと休めるころで「女正月」ともいいます。旧暦の1月15日は新年最初の望月(満月)の日。
小正月飾りとして木の枝に紅白の餅花を飾り五穀豊穣を祈ります。またその昔、1月15日は男児の成人を祝う元服の日でもあり、それが今の「成人の日」になったといわれています。
小正月行事は、綱引きで豊漁や豊作を占ったり、農具や炊事道具などにお供え物をして感謝する「道具の年取り」、正月飾りや書初めなどを燃やす「火祭り(どんど焼き)」、鬼の面をつけ怠け者を戒める「なまはげ」など地域によってさまざまです。
正月飾りは、松の内まで飾るところもあれば、小正月まで飾るところもあります。
このコンテンツは、キッチンを通じた楽しいふれあいの場づくりに貢献するために、食や暮らしに関する情報の収集、調査・分析を行っているクリナップの生活研究部門「おいしい暮らし研究所」が監修をしています。
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