2017年12月27日

【料理アカデミー】食の役割-講義編③ ぜひ取り戻したい普通の食卓、普通の食べもの~『心を育てる食卓』~

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食と住に深く関わる企業であるクリナップは、現代における“食の大切さや役割”を、皆さまと共に見つめ直すことが大切だと考え、生活研究部門である「おいしい暮らし研究所」が中心となり、聖徳大学様、武庫川女子大学様のご協力のもと「キッチンから笑顔をつくる料理アカデミー」を企画、提供してまいりました。
ここでは、多彩な講師の方からいただいた貴重なご講義や実習の内容をお届けします。
 

<食の役割>講義編
講師:室田 洋子(元聖徳大学教授)
人格心理学、臨床心理学担当。臨床心理士。全国保育士会、全国保育協議会等で、保育の中の食育の指導委員。(平成24年3月 講座実施時)

家族の食事の様子を絵に描いてもらうと……

今日の食の状況は、放っておくと外食にものすごい勢いで進んで行っていますね。いくらでも“コショク”につながっていきます。私は 20 年くらい前から“KFD”という方法で、家族のコミュニケーションの質の調査を全国さまざまな県で行ってきました。家族のつながりの状態を調べるんです。

“KFD”とはどんなものかというと、“Kinetic Family Drawings”というドイツで編み出された技法で、家族のそれぞれが何かを している様子を気軽に絵に描いてもらうという、とても簡単なものです。これを見ていくと、家族が食事をしている絵がかなり多く、半分以上を占めていたんです。であれば、ということで私は室田式にアレンジして「いつもの家族の食事の様子を描いて」というメッセージを出すことにしました。

この20年で、描かれる絵の傾向が大きく変わってきました。それは“コショク”に関するものです。
20年前のコショクは、“孤食”でした。端っこに縮こまった1人を描いて「おいしくない」っていうような絵。漫画の吹き出しみたいなのものを描いて「・・・・」って。この子は長い間、1人で食べていたんですね。こういうのを、まさに“孤食”と呼んだんです。「寂しいよ」「つまらないよ」「味気ないよ」「いたたまれないよ」っていう心が表されているんですね。

“孤食”から“個食”の時代へ

それがここ数年変わってきています。どういう風に変わってきているか? 同じ1人の食事を描いているのですが、テーブルの真ん中に大きく描かれていて、嬉しそうにニコニコしながら、テレビのあるところでご機嫌な様子で食べているんです。テレビの中ではタレントが何かしているのを描いています。ちっともしょんぼりしていません。「食事は1人がいいよねー」「食事は1人でするもんだ」「誰かと食べるのは疲れるわね」となってきたんです。だから大きな体でニコニコ食べている。そして好きなものだけを食べている。こういう食卓の絵を描いてくる。子どもたちが変化してきたんです。

調査の対象者は小学校の4〜6年生にしています。なぜかというと、中学生になると理想的な絵を描いてくるからです。よくよく見るとポスターのような。それから、小学校3年生以下や幼稚園も含めてやってみると、まだぶきっちょです。心を表現するには、まだちょっと技術的に足りない。小学校4〜6年生だと、そのままを描いてきてくれる。家族の状態をよく掴むことができているので、その辺を対象にしています。

申し上げたいのは、“コショク化”が“孤食”から“個食”に変わったということなんです。「食事はみんなでするのが当たり前なのにどうして?」と思っていたのは孤独の“孤” だったわけで、それに個人の“個”が使われるようになったのは、いつでも、どこでも、 どのようにでも、好きなように、好きな時間に、自分の都合で食べていいんですよ、という自分の都合で食べる食事が一番ごきげんですよ、という生活状態に変わっていることを意味しています。

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